「DUO 3.0」のコンセプトは福沢諭吉どす
05/30Sat
英単語 | comments(0) | - | 堀川紫野介 |
「DUO 3.0」は、現代英語の重要単語1600語と重要熟語1000語を重複なしで560本の英文に凝縮してあり、その英文を暗記することによって、英単語と英熟語を用法を含めてマスターできるという人気の英単語帳です。
なんと、この「DUO 3.0」と同じコンセプトの本を福沢諭吉が書いているのです。それは、明治6年(1873年)に発刊した「文字之教」という本です。
この本は学校の教科書として採用されることを願って作られた本で、題字語数960語とその例文が収められています。「コレヲ読ミコレヲ書キ、コレヲ試テ忘ルルコトナク」と記述があります。これも「DUO 3.0」と同様と言えるでしょう。
また、「文字之教」で取り上げられた漢字の約9割が現代の教育・常用漢字と重なるという驚異的な選択眼も凄いところです。
まずは、中身を見てみましょう。
第二文字之教 第二十八教
終日 何事 死人 意味
趣意 字義 合点
等シ 解ス
徒(いたずら)ニ
細(こまか)ニ
詳(つまびらか)ニ
○紙ノ白キコト雪ニ等シ。
○顔ノ黒キコト墨ニ等シ。
○終日何事ヲモ為サザル者ハ死人ニ等シ。
○字ヲ読ムコトヲ知テ其意味ヲ知ラザル者ハ、字ヲ知ラザル者ニ等シ。
○文章ヲ解スルコトヲ知テ其道理ヲ知ラザル者ハ、文章ヲ解サザル者ニ等シ。故ニ読書ノ趣意ハ、徒ニ紙数ヲ多ク読ムヨリモ、少シク読テ細ニ其字義ヲ解シ、詳に其道理ヲ合点スルニ在リ。
例文も示唆に富んだ内容に驚嘆しますね。手当たり次第に参考書に手を出すのではなく「一冊を完璧に」というアドバイスを明治6年に福沢諭吉先生から頂いていたとは…。