受験生は「君子の交わりは淡きこと水の如し」を実践しなはれ
受験全般 | comments(0) | - | 堀川紫野介 |
受験生は勉強に集中することが重要です。
でも、意外に自らそのような環境を構築できていない受験生がたくさんいます。それは、友達との関係です。
友達と談笑し、お別れした後はスマホでやりとりする。そのような毎日を過ごしている人はとても多いと思います。
「友達は自分にとって一番大事な存在や。受験も大事やけど、そこまで我武者羅に勉強すんのは、自分の生き方と違うわ」なんて思っている人は、受験勉強をやらない理屈を自分なりに納得する形で作っているだけとも言えます。
確かに友達の存在は受験に大きな影響を及ぼします。進学校のいいところは、クラスメイトが切磋琢磨していることと言えるかもしれません。お互いに励まし合って、ハードルの高いチャレンジに挑んでいます。
しかし、友達関係はそんな理想的なものだけではありません。濃厚でネチャネチャな友達関係はそこかしこに見られます。
じゃれ合った会話の中からトラブルになり、別の友達にも無性に言いたくなったりします。
「あんなん言われたん初めてやわ」
「ちょっと腹立つと思えへん?」
「うそ、そんなん言われたん?」
「もちろん切れたわいなぁ」
「ごめんとは言われたけど」
「ごめんで済んだら警察いらんわなぁ」
「ほんまや」
と発展していきます。
マクドナルドでアップルパイを食べることが多いのですが、隣の席の高校生は、このような会話を延々と続けております。
このような環境では、受験勉強に取り組むことはできません。ここまでいかなくても、多少なりともこれに近い方はおられるのではないでしょうか。
友達との関係は、とてつもなく無駄なエネルギーを消費するのです。言われたことが気になったり、言い過ぎたことが気になったり、そのことが頭の中でぐるぐると繰り返されます。
このような友達関係が良くないことを、中国戦国時代の宋の思想家である荘子(紀元前369年頃〜紀元前286年頃)が述べています。ずっと昔から「あかんことや」と指摘されていたんですね。
君子之交淡若水
(君子の交わりは淡きこと水の如し)
つまり、「物事をよくわきまえた人の交際は水のようだ」という意味です。
「友達との距離感を間違えて深入りし過ぎるとマイナス面が多くなるので、水のように爽やかにお付き合いするのが、長続きもするし良いことですよ」という教えです。
これとは、逆のことも述べています。
小人之交甘若醴
(小人の交わりは甘きこと醴の如し)
醴は「れい」と読みます。甘酒のことです。
つまり、「物事をよくわきまえていない人の交際は甘酒のようだ」という意味です。
「友達との距離感なんかお構いなしで、深入りして甘酒のようにねちゃねちゃの関係でお付き合いするのは、長続きもしないし良くないですよ」という教えです。
覚えておいて下さい。「君子の交わりは淡きこと水の如し」です。高校生の時はかけがえのない友達と思ってるかもしれませんが、大学生になればびっくりするほど疎遠になることも多いです。受験スイッチが入れば、距離感を保って交際しましょう。
踏み込んで言えば、醴=甘酒タイプの友達は切ってもいいです。それぐらいの割り切りで、受験勉強に臨みましょう。何事にも八方美人では総崩れしますよ。